
JOURNAL
2025/11/14 07:27
オールドミルクグラスは、1940年代から1970年代にかけてアンカーホッキング社が製造していたファイヤーキングのガラスウェアを、日本で現代に蘇らせたブランドです。 2018年6月、株式会社ツナグクラフトがOlde Milk-glassブランドの商標ライセンスを取得し、企画から生産、販売まで一貫して手がけています。製品はすべて東北地方のガラス工場で職人の手により丁寧に作られ、どれもやさしい乳白色と素朴な風合いが特徴です。ヴィンテージでありながら、モダンなスタイルが現代の暮らしにも心地よく溶け込みます。 今回のコラボを記念して、株式会社ツナグクラフト代表の桑住さんにお話しを伺いました。 Q. 各マグカップは東北で手作りされています。工場の裏側でどのような様子が繰り広げられているのか、教えていただけますか? 工場の1日は日中の気温が高い時間帯を避けるため朝の6時から始まります。 1年中エアコンもない工場内で、1400℃になる高温の溶融炉に向かい合いあっての作業です。 例えば工場には熱中症対策で、梅干しが常備されてまして、職人や検品に関わるスタッフは、梅干しを食べながらこまめに水分補給を行って作業しています 笑 職人に関してですが、主にガラスの生地を溶融ツボから取り出す職人、手動のプレス機でガラスを成型する職人、成形されたガラスをバナーで炙り表面を整える職人の3名と補助の職人の4名1チームで生産しています。 オートマチックな機械は一切使っていませんので、すべての工程がハンドメイドです。 検品やクリーニング工程を加えれば、1つのマグカップが完成するまでに6日の手作業が必要になります。 またプリントは、岐阜のプリント工場で1個1個水転写紙の技法で転写紙をマグカップに貼る作業もとっても大変な作業で、貼り子さんと呼ばれる専門の職人の皆さんのおかげで私たちのプリンとは成り立っています。 Q. 日本の伝統的な職人技は、これらのマグカップにどのように影響を与えていると思われますか? 私たちの工場では手の力でプレス成型しています。他社や海外のミルクガラスは機械の力でプレスします。 何故機械でプレスしないのか聞いたことがありますが、金型にガラスが入っていく感覚が職人にはわかるようで、多めにガラスのタネが金型に入ったから「今回はこのぐらいの力でプレスを押してみよう」などの判断が出来るそうです。 おそらく効率重視で作業を考えれば機械の方が圧倒的に楽だと思いますし、プレス圧力が機械の方が高いので、固いガラスも伸びきって一見綺麗なガラスができると思いますが、私はこのような職人のこだわりが、Olde Milk-glassの均一な工業製品ではない、不完全な美しさに繋がっているんだと思っています。 Q. Olde Milk-glassは、ヴィンテージ感と新鮮さを同時に感じさせる魅力があります。どのようにしてそれを実現しているのでしょうか? 私たちの商品にはヴィンテージのミルクガラス製品に影響を受けた形状のものもありますが、例えば私たちのフラッグシップModelであるOlde Milk-glass Friday Morning Mugは、現代の日本においてコーヒーだけでなく、お茶を飲んだり、ホットミルクを飲んだりする際にちょうどいい容量はどれくらいか、また様々な年代の方が持ちやすく使いやすい取っ手になっているか。など色々な事を考えて新しい日本のミルクガラスマグを考えたからではないでしょうか。 またミルクガラスの質感も大事です。プラスチック製品に慣れ親しんだ現代人は、初見でミルクガラスをプラスティックと錯覚することがあります。そのような人は、ガラスの口触り、手に持った時のずっしりした重量感を新鮮に感じるでしょうね。 Q. これらのマグカップはインテリアとしても美しいですが、日常使いにもぴったりです。 どのような点が普段使いに最適なのだと思われますか? んー、わかりません。個人的にはガシガシ使ってもらいたい派なので笑 Q. 今回の商品はニュージーランド、オーストラリア、日本におけるCoffee Supremeのグローバルリリースです。Olde Milk-glassが生まれた場所から遠く離れた新しい場所で受け入れられていることをどのように感じていますか? とても嬉しいことです。私たちは創業の際に、日本だけでく、かつてミルクガラスの生産の拠点だったアメリカに輸出して、そこからさらに世界中にミルクガラス製品をお届けすることを目標に掲げていました。海外の皆様が注目していただき受け入れて頂けることで、日本の伝統的なガラス技術を後世に繋いでいくことが出来ます。 Q. Olde Milk-glassの次なる展開は何ですか?何か楽しみにしていることはありますか? 将来的にはプリントだけでなく、ガラスに対する様々な加工サービスも行いたいと思います。 吹付塗装やラバー塗装など、より付加価値の高い製品にチャレンジしたいです。 Q. Olde Milk-glassの精神を一言で表すとしたら、何でしょうか? 「作り続け、繋いでいくモノづくり」です。
ブランド創設者の情熱により、懐かしさと温もりを感じるヴィンテージの魅力を、今の暮らしに寄り添う形で再解釈しています。

